「今の職場でキャリアアップを目指したい」
「看護師としての経験を活かして、チームや組織を動かす立場になりたい」
看護師として経験を積む中で、このように考える方も多いのではないでしょうか?
看護師のキャリアパスは多様化しており、専門性を深める道、特定の分野で活躍する道など様々ですが、その中でも看護師長や看護部長といった看護管理職は、多くの看護師が目指すキャリアの一つです。
しかし、看護管理職と一口に言っても、その役割や必要なスキル、そしてそこに至るまでの道のりは具体的にイメージしにくいかもしれません。
また、管理職を目指して看護師が転職を考える際には、どのような準備が必要なのでしょうか?
この記事では、転職を考えている方、特に管理職へのキャリアアップに興味がある方に向けて、以下の点を信頼できる情報源を参考にしながら詳しく解説します。
この記事を読むことで、看護管理職への道筋が明確になり、ご自身のキャリアプランを描くための具体的なヒントが得られるはずです。

看護師さんのキャリアって、本当にいろいろな可能性があるんだね!✨
管理職って響きはカッコいいけど、実際どんなお仕事で、どうやったらなれるんだろう?🤔
この記事で、看護師長さんや看護部長さんへのステップアップについて、一緒に学んでいこう!💪
1. 看護管理職とは?看護師長と看護部長の役割の違い
まずはじめに、「看護管理職」とはどのような立場なのか、そして「看護師長」と「看護部長」では具体的にどのような役割の違いがあるのかを見ていきましょう。
看護管理職とは、病院や施設などの医療機関において、看護部門の運営やスタッフの管理に責任を持つ役職のことです。
日本看護協会の定義などを参考にすると、看護管理者は、ケアの受け手である対象者(個人、家族、地域)に質の高い組織的看護サービスを提供することを目的に、看護サービスの組織化とその運営、組織の資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を活用し、目標達成のための活動を行う者とされています。
質の高い看護サービスを提供し続けるためには、現場の看護師をまとめ、組織全体を円滑に機能させる管理職の存在が不可欠です。
看護師長の役割と責任
看護師長は、特定の病棟や外来、手術室といった部署(看護単位)の責任者です。
いわば、現場のリーダーとしての役割を担います。
日本看護協会が示す役割などを参考にすると、主な役割と責任は以下の通りです。
- 部署の目標設定と達成: 病院全体や看護部の方針に基づき、担当部署の目標を設定し、その達成に向けてスタッフを指導・管理します。
- 看護ケアの質の管理: 患者さんへ提供される看護ケアの質を維持・向上させるため、ケアの実践状況を評価し、改善策を講じます。個別性のあるケアの提供を支援します。
- スタッフの労務管理と育成: 看護師やその他のスタッフの勤務シフト作成、業務量の調整、健康管理、教育・指導(クリニカルラダー等に基づく)、キャリア相談などを行います。スタッフ一人ひとりの能力を引き出し、成長をサポートすることも重要な役割です。
- 業務改善: 部署内の業務プロセスを見直し、効率化や安全性の向上(リスクマネジメント活動含む)を図ります。
- 他部署との連携: 医師や他の医療専門職、事務部門などと連携し、円滑なチーム医療を推進します。
- 資源の管理: 部署に必要な物品や設備の管理を行います。
看護師長は、現場の最前線で患者さんやスタッフと直接関わりながら、部署全体のマネジメントを行う、非常に重要なポジションです。
看護部長の役割と責任
看護部長は、病院や施設全体の看護部門の最高責任者です。
看護師長よりも経営に近い立場で、より広範な視点から看護部門全体を統括します。
日本看護協会が示す役割などを参考にすると、主な役割と責任は以下の通りです。
- 看護部門全体の目標設定と方針決定: 病院の理念や経営方針に基づき、看護部門全体の理念や目標、運営方針を策定し、実行します。
- 看護部門の組織運営・管理: 看護部門全体の予算管理、人員配置計画(適正な人員数の確保・配置)、看護師の採用・育成計画などを策定・実行します。
- 看護の質の向上: 病院全体の看護ケアの質を評価し、改善のための方策(看護研究の推進、新たな看護技術の導入、看護基準の作成・改訂など)を立案・推進します。
- 病院経営への参画: 経営会議などに参加し、看護部門の視点から病院全体の経営戦略に関与します。組織全体の意思決定に貢献します。
- 看護管理者の育成: 看護師長・主任など、次世代の看護管理者を育成するための計画を立て、指導・支援を行います。
- 外部機関との連携: 看護協会や地域の医療機関、教育機関、行政など、外部の関係機関との連携・交渉を図ります。
- 組織全体の危機管理: 災害時や感染症流行時など、病院全体の危機管理体制において、看護部門の対応を指揮・統括します。
看護部長は、組織全体の最適化を目指し、長期的な視点で看護部門をマネジメントする、極めて戦略的な役割を担っています。


なるほど~!看護師長さんは現場のリーダー、看護部長さんは看護部全体のトップって感じなんだね!✨
求められる視点や責任の範囲が全然違うんだなぁ。
どちらも、看護の質を守り、高めるために欠かせない存在ってことだね!👍
2. 看護師長になるには?必要な経験・スキル・資格
現場のリーダーである看護師長になるためには、どのような経験やスキル、資格が求められるのでしょうか?
必要な臨床経験年数の目安
看護師長になるために法律で定められた経験年数はありません。
しかし、日本看護協会の調査や各病院の昇進要件などを見ると、一般的には10年以上の臨床経験、そして主任看護師など部署内でのリーダー経験が求められることが多いようです。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」における役職別平均年齢なども参考にすると、十分な経験を積んでいることがうかがえます。
現場のスタッフから信頼され、指導的な立場を担うためには、幅広い知識と確かな看護実践能力、そして多様な状況に対応できる経験が不可欠です。
求められるスキル
看護師長には、看護実践能力に加えて、以下のようなマネジメントスキルが求められます。
これらは、日本看護協会の示す看護管理者のコンピテンシー(能力)にも含まれています。
- リーダーシップ: 目標達成に向けてチームをまとめ、導く力。スタッフのモチベーションを高め、主体性を引き出す能力。
- コミュニケーション能力: スタッフ、医師、他部署、患者さんやそのご家族など、様々な立場の人と円滑な意思疎通を図る能力。傾聴力や説明力、アサーティブな表現力も重要です。
- 問題解決能力: 部署内で発生する様々な問題(人間関係、業務上のトラブル、患者さんからのクレームなど)の原因を分析し、効果的な解決策を立案・実行する能力。
- 意思決定力: 限られた情報や時間の中で、倫理的側面も考慮しつつ、的確な判断を下し、実行に移す力。
- チームマネジメント能力: スタッフ一人ひとりの能力や個性を理解し、適材適所な役割分担や育成計画(OJT、研修など)を立て、チーム全体のパフォーマンスを最大化する能力。公正な評価も含まれます。
- 教育・指導能力: スタッフの学習ニーズを把握し、効果的な指導を行う能力。
これらのスキルは、日々の業務や研修、自己学習を通じて意識的に高めていく必要があります。
有利になる資格
必須ではありませんが、看護師長を目指す上で有利になる資格として、認定看護管理者制度があります。
この制度は、多様なヘルスケアニーズを持つ個人、家族及び地域住民に対して、質の高い組織的看護サービスを提供することを目指し、看護管理者の資質と看護の水準の維持及び向上に寄与することを目的としています(日本看護協会による)。
特に、ファーストレベル(教育課程)の修了は、看護管理に必要な基本的な知識・技術・態度を体系的に学んだ証明となり、昇進や転職の際に高く評価される傾向にあります。
また、特定の看護分野における高度な知識・技術を持つ専門看護師や認定看護師の資格も、その分野におけるリーダーシップを発揮する上で強みとなり、管理職への道を開く一助となることがあります。
昇進のプロセス
看護師長への昇進は、病院や施設によって異なりますが、一般的には以下のようなプロセスが考えられます。
- 院内公募: 師長候補者を院内で公募し、選考(書類審査、面接、小論文、適性検査など)を経て決定する。
- 推薦: 上司(看護部長や他の師長など)からの推薦に基づき、昇進が決まる。日頃の勤務態度やリーダーシップが評価されます。
- 昇進試験/アセスメント: 定期的に実施される昇進試験や、管理職としての適性を評価するアセスメント(管理職研修への参加・修了を含む場合もある)を経て、師長候補者となる。
日頃からリーダーシップを発揮し、自己研鑽に励み、周囲からの信頼を得ておくことが、昇進への近道と言えるでしょう。


看護師長さんになるには、看護のスキルだけじゃなくて、人をまとめたり、問題を解決したりする力もすごく大事なんだね!💪
経験をしっかり積んで、リーダーシップを発揮できるように頑張ることが大切なんだな。
認定看護管理者っていう資格もあるね!📝
計画的にステップアップしていくイメージだね!
看護師長を目指すには、確かな経験とスキルの積み重ねが重要であることが分かりました。
もし、今の職場でなかなかリーダーシップを発揮する機会が得られなかったり、キャリアアップの道筋が見えにくいと感じているなら、新しい環境で自身の可能性を試してみるのも一つの選択肢です。
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3. 看護部長になるには?さらなるステップアップ
看護師長として経験を積んだ先にあるキャリアパスの一つが、看護部長です。
看護部門全体のトップとして活躍するためには、どのような要素が必要になるのでしょうか?
看護師長としての経験の重要性
多くの場合、看護部長になるためには看護師長としての豊富な経験が必須とされます。
現場のマネジメント経験を通じて培われた知見やスキル、そして組織運営に関する理解は、看護部門全体を統括する上で欠かせない基盤となるからです。
複数の部署での師長経験や、副看護部長など看護部全体の運営に関わる経験があると、より有利になるでしょう。
求められる高度なスキル
看護部長には、看護師長に求められるスキルに加えて、より高度で戦略的な能力が求められます。
日本看護協会の示すコンピテンシーなどを参考にすると、以下のような能力が挙げられます。
- 経営的視点・資源活用能力: 病院全体の経営状況を理解し、コスト意識を持って看護部門を運営する能力。限られた資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を効果的かつ効率的に配分・活用する視点。
- 戦略的思考・政策形成能力: 医療制度や社会情勢の変化、病院の方針を踏まえ、中長期的な視点で看護部門の将来像を描き、その実現に向けた戦略や看護政策を立案・実行する能力。
- 組織改革・変革推進能力: 既存の慣習や制度にとらわれず、質の高い看護サービスの提供と働きがいのある職場環境を目指して組織変革を推進する力。強いリーダーシップと実行力、関係部署との調整能力が求められます。
- 交渉力・政治力: 経営層、医師、他部門、労働組合、外部機関など、様々なステークホルダーと利害調整を行い、合意形成を図り、組織目標の達成につなげる能力。
- 人材育成・開発能力: 看護部門全体の人材育成戦略(採用、教育、キャリア開発支援、次世代リーダー育成など)を立案し、実行する能力。組織文化の醸成も含まれます。
- 倫理的意思決定能力: 複雑な状況下で、倫理的ジレンマを認識し、多角的な視点から最善の意思決定を行う能力。
これらの能力は、看護師長としての経験に加え、研修への参加や自己学習、他分野の専門家との交流などを通じて意識的に高めていく必要があります。
有利になる資格・学歴
看護部長を目指す上で、認定看護管理者制度のセカンドレベルやサードレベルの修了は、高度な管理能力を持つ証明として非常に有効です。
- セカンドレベル:多様なヘルスケアサービス提供の場で、既存の組織の理念や方針に基づき、看護管理者として基本的な責務を遂行するために必要な知識・技術・態度を習得します。看護師長クラスに求められる能力とされます。
- サードレベル:ヘルスケアシステムの変革を見据え、組織の理念に基づき、創造的な組織運営を遂行するために必要な知識・技術・態度を習得します。看護部長クラスに求められる能力とされます。
また、大学院で看護管理学や経営学(MBAなど)、公衆衛生学(MPHなど)を学び、修士号や博士号を取得することも、キャリアアップにおいて大きなアドバンテージとなり得ます。
専門的な知識を深め、研究能力や論理的思考力、広い視野を養うことは、複雑化する医療環境の中で組織をリードしていく上で強力な武器となります。
昇進・転職のプロセス
看護部長への道は、院内での昇進が一般的ですが、近年では病院グループ内での異動や、外部からの登用、公募による転職ケースも見られます。
特に、経営改革や組織変革を推進するために、経営的な視点やリーダーシップを持つ人材を外部から求める医療機関も増えています。
看護部長への昇進・転職を目指す場合は、これまでのマネジメント経験や具体的な実績(業務改善、人材育成、コスト削減、看護の質向上への貢献など)を明確にアピールすることが重要です。
また、病院の理念や経営方針への深い理解、そして看護部門を将来どのように発展させていきたいかという明確なビジョンと具体的な戦略を示すことが求められます。


看護部長さんになるには、さらに視野を広げて、病院全体のことも考えられるようにならないといけないんだね!😮
経営のこととか、将来のこととか…学ぶことがたくさんありそうだけど、すごくやりがいも大きそう!✨
大学院で学ぶっていう選択肢もあるんだね!🎓
戦略家って感じ!
看護師長を目指すには、確かな経験とスキルの積み重ねが重要であることは理解できたけれど、今の職場ではなかなかその機会に恵まれないと感じている方もいるかもしれません。
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4. 看護管理職へのキャリアパス具体例
看護管理職を目指す道は一つではありません。
ここでは、いくつかのキャリアパスの具体例を見ていきましょう。
ご自身の状況と照らし合わせながら、キャリアプランを考える参考にしてください。
多くの病院では、独自のキャリアラダー制度を設けて、ジェネラリストやスペシャリスト、管理職など多様なキャリアパスを支援しています。
ケース1:ジェネラリストラダーを昇格し、管理職へ
最も一般的なキャリアパスの一つです。
- 新人~一人前看護師(例:クリニカルラダーレベルⅠ~Ⅲ): 様々な部署(病棟、外来、手術室など)で臨床経験を積み、基本的な看護実践能力と部署の役割を習得する。
- 中堅・リーダー看護師(例:レベルⅢ~Ⅳ): チームリーダーやプリセプター、委員会活動などを通じて、後輩指導やチーム運営、部署目標達成への貢献を経験する。
- 主任・副師長: (役職があれば)看護師長を補佐し、より責任のある立場で部署運営やスタッフ指導に関わる。
- 看護師長(例:レベルⅤ、または管理職コース): 昇進試験や公募、推薦などを経て、看護師長に就任。認定看護管理者ファーストレベルなどを取得し、部署のマネジメント経験を積む。
- 副看護部長: (設置されている場合)看護部長を補佐し、複数の部署や看護部全体の運営、企画業務などを経験する。セカンドレベルなどを取得。
- 看護部長: 実績や能力が評価され、看護部長に昇進。サードレベルなどを取得。
このパスでは、現場経験を土台として、病院内のキャリアラダーに沿って段階的にマネジメントスキルを習得していくことができます。
ケース2:専門・認定看護師から管理職へ
専門分野での高い知識・技術を活かして管理職を目指すパスです。
- 専門看護師/認定看護師: 特定の分野で資格を取得し、専門性の高い看護実践、コンサルテーション、教育、研究活動などを行う。
- 分野別リーダー/教育担当: 専門性を活かして、院内の特定分野のチームリーダー、教育担当者、または特定のプロジェクトリーダーとしての役割を担う。
- 看護師長: 専門分野に関連する部署の師長や、教育・研究担当の師長などに就任。専門性を活かした部署運営や人材育成を行う。マネジメント経験を積む中で、ファーストレベルなどを取得。
- 看護部長: 専門性を組織全体の看護の質向上や特定分野の強化に活かす視点を持って、看護部長を目指す。
専門性を活かしつつ、マネジメント能力を身につけることで、独自の強みを持つ管理職として活躍できる可能性があります。
ケース3:外部研修や大学院を経て管理職へ
自己投資によってキャリアアップを目指すパスです。
- 臨床経験: 一定期間、臨床経験を積む。
- 認定看護管理者教育課程/大学院進学: 働きながら、あるいは休職・退職して、認定看護管理者の教育課程(ファースト、セカンド、サード)を受講したり、大学院で看護管理学、MBAなどを学んだりする。
- 管理職への応募/転職: 習得した知識や資格、学位を活かして、院内の管理職ポストに応募したり、管理職候補として転職したりする。
- 看護師長/看護部長: 研修や学業で得た最新の知見や理論を活かし、組織運営や人材育成、看護の質向上に貢献する。
このパスは、体系的な知識を身につけ、キャリアチェンジやより上位の管理職へのステップアップを図りたい場合に有効です。
転職を視野に入れる場合にも有利に働く可能性があります。
キャリアプランニングの重要性
どのパスを選ぶにしても、主体的なキャリアプランニングが重要です。
- 自己分析: 自身の強み・弱み、興味・関心、価値観、キャリアアンカー(キャリアを選択する上で譲れない価値観)などを理解する。
- 目標設定: いつまでに、どのような管理職(役割、レベル)になりたいのか、具体的な目標(短期・中期・長期)を設定する。
- 情報収集: 目標達成のために必要な経験、スキル、資格、学習機会(研修、学会、文献など)に関する情報を集める。ロールモデルとなる管理職の話を聞くのも有効です。
- 行動計画: 目標達成に向けた具体的なステップ(必要な経験を積める部署への異動希望、研修参加、資格取得、上司への相談など)を計画し、実行する。定期的に進捗を確認し、計画を見直す。
キャリアプランは一度立てたら終わりではなく、経験や状況の変化に応じて柔軟に見直していくことが大切です。

いろんな道があるんだね~!😊
病院の中でステップアップする道も、専門性を活かす道も、大学院でしっかり学ぶ道も、どれも素敵!✨
大事なのは、自分がどうなりたいかを考えて、計画を立てて行動することなんだね。
キャリアプラン、私も考えてみようかな…🤔
キャリアは自分でデザインしていくものなんだね!💪
管理職を目指す上でも、まずはご自身のキャリア全体を俯瞰し、計画的にステップを踏んでいくことが成功の鍵となります。
看護師には管理職以外にも、専門性を深める道、教育・研究の道、あるいは病院以外のフィールドで活躍するなど、様々な魅力的なキャリアパスが存在します。
「そもそもキャリアプランってどう立てればいいの?」
「管理職以外のキャリアについても、もっと詳しく知りたい!」
「自分の強みや価値観をしっかり見つめ直して、将来設計をしたい」
もしあなたがこのように感じているなら、以下の記事で看護師の多様なキャリアパスや、具体的なキャリアプランの設計方法、自己分析のヒントなどを詳しく解説しています。
ぜひ、あなたの未来を描くための参考に、合わせてご覧ください。
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【キャリアプラン設計】看護師の多様なキャリアパスを知って未来を描こう
「今の職場で働き続けるべきか迷っている…」 「将来どんな看護師になりたいか、具体的なイメージが湧かない…」 「もっと自分に合った働き方があるんじゃないか?」 看護師として日々忙しく働く中で、ふと立ち止 ...
5. 管理職を目指す看護師の転職活動
「今の職場では管理職への道が見えない」
「もっと自分のマネジメント能力を試せる環境で働きたい」
「新しい組織でリーダーシップを発揮したい」
このように考え、看護管理職を目指して転職を検討する看護師の方もいるでしょう。
ここでは、管理職を目指す際の転職活動のポイントを解説します。
転職を考えるタイミング
管理職への転職を考えるタイミングは人それぞれですが、以下のような状況がきっかけになることが多いようです。
- 現在の職場で昇進の機会が限られている、またはポストに空きがないと感じる時。
- 主任やリーダーとしての経験を積み、次のステップとして看護師長に挑戦したいと考えた時。
- 看護師長としての経験を活かし、より大きな組織や異なる機能を持つ病院で力を試したい、または副看護部長・看護部長を目指したいと考えた時。
- 認定看護管理者の資格や大学院での学びを活かせる、より専門性の高い管理職ポストを探したい時。
- 病院の経営方針や看護部の理念・文化に共感できず、より自分の価値観や目指す看護に近い環境を求めている時。
- より高い給与や役職に見合った待遇、裁量権を求めている時。
自身のキャリアプランとライフステージを考慮し、転職によって何を実現したいのかという目的意識を明確にしてから活動を始めることが重要です。
管理職求人の探し方
看護管理職(看護師長、看護部長、またはその候補)の求人は、一般の看護師求人に比べて数は多くありません。
非公開で募集されることも多いため、効率的に探すためには、以下の方法を組み合わせるのが効果的です。
- 看護師専門の転職サイト・転職エージェント:
- 管理職求人は非公開求人として扱われることが多いため、転職エージェントへの登録は特に有効です。
- 「看護師長」「看護部長」「管理職候補」「副師長」などのキーワードで検索し、エージェントにキャリア相談をしてみましょう。
- キャリアアドバイザーが経験や希望に合った求人を探してくれます。
- 管理職求人は非公開求人として扱われることが多いため、転職エージェントへの登録は特に有効です。
- 病院・施設の公式サイト: 興味のある病院や施設の採用ページを定期的に確認する。特に大学病院や大規模な公的病院などでは、管理職の公募情報が掲載されることがあります。
- 学会・研修会: 看護管理に関連する学会や研修会は、情報収集や人脈形成の場となります。求人情報が得られたり、キーパーソンと出会えたりする可能性があります。
- 知人・元同僚からの紹介(リファラル): 看護師仲間や以前の職場のネットワークを通じて、管理職ポストの情報を得られることもあります。
履歴書・職務経歴書の書き方のポイント
管理職の選考では、これまでの看護実践能力に加え、マネジメント経験と能力、そして実績を具体的に、かつ説得力を持って示すことが極めて重要です。
- マネジメント経験: リーダー、主任、師長など、どの立場で、どのような役割(業務分担、目標設定、スタッフ指導、予算管理など)を担い、どのような成果(具体的な数値や事例を挙げる)を上げてきたかを詳細に記述します。
- 例:「〇〇病棟の主任として、〇〇(課題)に対し△△(改善策)を提案・実行し、□□(指標)を〇%改善した」
- 「新人〇名のプリセプター経験があり、全員の独り立ちを支援。離職率は担当期間中0%だった」
- 「師長として、スタッフ〇名の目標管理面談を実施し、個々のキャリア開発を支援した」
- スキル: リーダーシップ、コミュニケーション(対スタッフ、対他職種、対患者・家族)、問題解決、意思決定、人材育成、組織運営、危機管理など、応募する役職に求められるスキルを、具体的なエピソードを交えてアピールします。
- 資格・研修歴: 認定看護管理者(レベルも明記)、専門・認定看護師、その他マネジメント関連の研修受講歴、学会発表経験、大学院での研究内容なども重要なアピールポイントです。
- 志望動機・自己PR: なぜその病院・施設で管理職として働きたいのか、応募先の理念、方針、課題などを理解した上で、自身の経験や能力をどのように活かして貢献できるか、将来どのように組織を発展させていきたいかという熱意とビジョンを明確に記述します。
PREP法(Point, Reason, Example, Point)などを活用し、論理的で分かりやすい文章構成を心がけましょう。
実績は具体的な数字を用いて客観的に示します。
面接対策:想定される質問と回答例
面接では、書類だけでは分からない人柄、コミュニケーション能力、リーダーとしての資質、ストレス耐性、組織への適応性などが評価されます。
以下のような質問を想定し、具体的なエピソードに基づいた、一貫性のある回答を準備しておきましょう。
- マネジメント経験と実績:「これまでの管理経験で最も困難だったことは?それをどう乗り越えましたか?」「最も成果を上げたと考える取り組みは何ですか?」「部下を指導する上で大切にしていることは?」
- リーダーシップと価値観:「あなたの考える理想のリーダー像は?」「ご自身のリーダーシップの強みと弱みは何ですか?」「チームの意見が対立した場合、どのようにまとめますか?」
- 問題解決・意思決定:「現場で起こったインシデントにどのように対応しましたか?」「限られた情報で判断を迫られた経験は?」「多職種との連携で工夫したことは?」
- 応募先への理解と貢献意欲:「当院(施設)の看護部の課題は何だと考えますか?」「その課題に対し、あなたはどのように貢献できますか?」「当院の理念についてどう思いますか?」
- キャリアビジョン:「将来、どのような管理職になりたいですか?」「5年後、10年後のキャリアプランは?」「自己成長のためにどのような努力をしていますか?」
- 逆質問:「何か質問はありますか?」→ 必ず質問を用意し、意欲と関心の高さを示しましょう。(例:入職後の役割、期待されること、研修制度、組織文化についてなど)
自信を持って、誠実に、そして熱意を持って回答することが大切です。模擬面接などを活用して練習するのも有効です。
転職エージェント活用のメリット
管理職の転職は、求人情報の少なさや選考の複雑さから、個人で進めるのが難しい場合もあります。
看護師専門の転職エージェントを活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 非公開求人の紹介: 一般には公開されていない好条件・重要ポストの管理職求人を紹介してもらえる可能性が高い。
- キャリア相談・求人提案: 経験豊富なキャリアアドバイザーが、キャリアプランや強みを踏まえ、最適な求人を提案してくれる。
- 書類添削・面接対策: 管理職選考に特化した、質の高い応募書類作成サポートや模擬面接などの対策を受けられる。
- 条件交渉の代行: 給与、役職、勤務条件など、個人では言い出しにくい条件面の交渉を代行してもらえる場合がある。
- 情報提供: 応募先の組織風土、人間関係、経営状況など、内部のリアルな情報を提供してもらえることがある。
- 日程調整などの代行: 面接日程の調整など、煩雑な手続きを代行してもらえる。
無料で利用できるエージェントがほとんどです。
複数のエージェントに登録し、比較検討しながら、自分に合ったアドバイザーを見つけることをお勧めします。
情報収集の一環としても気軽に相談してみましょう。


管理職の転職って、やっぱり普通の転職とは違う準備が必要なんだね…!💦
でも、自分の経験や強みをしっかりアピールして、将来どうしたいかを熱意を持って伝えれば大丈夫!💪
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6. 看護管理職のやりがいと大変さ
看護管理職は、大きな責任と権限を持ちますが、その分、他では得られないやりがいも感じられる仕事です。
一方で、大変さや困難に直面することも少なくありません。
ここでは、その両側面について、より具体的に見ていきましょう。
やりがい
- 組織・チームを動かし、成果を創出する達成感: 自身のビジョンや戦略に基づき、チームや部署、看護部全体を動かし、目標達成や課題解決ができた時、大きな達成感と喜びを得られます。
- 質の高い看護サービスの提供や働きがいのある職場環境の実現といった成果を、組織レベルで創出できるのは管理職ならではの醍醐味です。
- スタッフの成長を支援し、共に喜びを分かち合える: 指導や面談、キャリア支援を通じて、スタッフが専門職として、また一人の人間として成長していく姿を間近で見守り、支援できることは、大きな喜びであり、やりがいにつながります。
- スタッフの成功体験を共に喜べる関係性を築けた時、管理職としての充実感を感じられます。
- より良い看護を提供できる環境・システムづくりへの貢献: 現場の課題を吸い上げ、業務改善、新しい看護技術やケアシステムの導入、教育体制の整備などを推進することで、患者さんへ提供される看護の質向上に直接的に貢献できます。
- 自身の働きかけが、多くの患者さんの利益につながることを実感できます。
- 自己成長と視野の拡大: 多様な課題への挑戦、多職種や経営層との折衝、組織運営に関する学習などを通じて、自身のマネジメント能力、問題解決能力、人間性が磨かれ、大きな自己成長を実感できます。
- 物事をより大局的、長期的な視点で見られるようになります。
- 影響力と貢献感: 自身の考えや行動が、多くのスタッフ、患者さん、地域社会、そして病院全体の運営に影響を与える立場であることに、重い責任と共に、社会貢献しているという大きなやりがいを感じられます。
大変さ
- 多方面との調整・交渉と板挟み: スタッフ(部下)、上司(看護部長や病院幹部)、医師、他部門、時には患者さんやご家族、労働組合など、様々な立場・利害関係者の間で調整役となり、板挟みになって苦慮することがあります。
- 合意形成に至るまでのコミュニケーションコストや精神的負担は大きいです。
- 責任の重さとプレッシャー: 部署や看護部全体のパフォーマンス、スタッフの労務管理、医療安全などに関する最終的な責任を負う立場であり、常にプレッシャーを感じることがあります。
- 特に、重大な医療事故やインシデント、ハラスメントなどの問題発生時の精神的な負担は計り知れません。
- 現場との距離感と孤独感: 管理業務(会議、書類作成、データ分析、人事考課など)に多くの時間を費やすため、直接的な患者ケアに関わる時間が減り、現場の感覚とのズレを感じたり、スタッフとの間に距離を感じて孤独感を覚えたりすることがあります。
- 長時間労働・業務過多とワークライフバランスの維持困難: 会議、面談、書類作成、スタッフ管理、トラブル対応、自己学習など、業務が多岐にわたり、突発的な対応も多いため、長時間労働になりやすく、ワークライフバランスを保つことが難しいと感じる人が少なくありません。
- 人間関係の難しさと感情労働: スタッフ間の対立の仲裁、モチベーションの維持、評価に対する不満への対応、困難な性格のスタッフへの関わりなど、複雑な人間関係の調整に心を砕く場面が多くあります。
- 自身の感情をコントロールし、公平性・客観性を保ちながら対応することが求められます(感情労働)。
ワークライフバランスの課題と工夫
管理職自身が心身ともに健康でなければ、良いマネジメントはできません。
持続的に活躍するためには、意識的な工夫と周囲のサポートが不可欠です。
- タイムマネジメントと業務効率化: スケジュール管理を徹底し、優先順位をつけて業務を行う。会議時間の短縮、ペーパーレス化、ITツールの活用などで業務を効率化する。
- 権限委譲とチームでの業務分担: 部下(主任、リーダーなど)を信頼し、任せられる業務は積極的に権限委譲する。
- チーム内で業務を分担し、一人で抱え込まない。
- オン・オフの切り替えとセルフケア: 意識的に休息を取り、勤務時間外や休日は仕事から離れる時間を作る。
- 趣味、運動、家族や友人との時間などを大切にし、ストレスを効果的に解消する。
- 自身の健康管理(睡眠、食事、運動)にも気を配る。
- 相談できる相手・ネットワークを持つ: 同僚の管理職、上司、メンター、家族、友人など、悩みを共有し、相談できる相手を持つことは精神的な支えになります。
- 管理職同士のネットワークに参加するのも有効です。
- 組織としてのサポート体制: 管理職をサポートする体制(副部長の配置、事務的なサポート、メンター制度、相談窓口など)が組織にあるかどうかも重要です。
- なければ、組織に働きかけることも必要になる場合があります。
管理職のワークライフバランスは、個人の努力だけでなく、組織全体の課題として捉え、改善に取り組む必要があります。


やりがいも大きいけど、想像以上に大変なこともたくさんあるんだね…!💦
板挟みになったり、責任が重かったり、孤独を感じたり…。
でも、チームや組織をより良くしていく達成感や、スタッフさんの成長を見守れる喜びは何物にも代えがたいんだろうな✨
ワークライフバランスを保つ工夫、本当に大事だね!👍
自分を大切にすることも、良いリーダーの条件かも!😊
7. まとめ
今回は、看護師のキャリアパスの一つである看護管理職(看護師長・看護部長)について、その役割、なり方、キャリアパス、転職、そしてやりがいと大変さまで、詳しく解説してきました。
看護師長は現場のリーダーとして部署をまとめ、看護部長は看護部門全体の責任者として組織を導く、それぞれに重要で挑戦しがいのある役割です。
管理職になるためには、豊富な臨床経験を土台に、リーダーシップをはじめとする多様なマネジメントスキルを習得し、継続的に自己研鑽に励むことが求められます。
認定看護管理者などの資格取得や、大学院での学びもキャリアアップを後押しします。
管理職への道は、院内での昇進だけでなく、転職によって切り拓くことも可能です。
その際は、自身のキャリアプランを明確にし、転職エージェントなどを有効活用しながら、計画的に準備を進めましょう。
看護管理職は、責任が重く困難な場面も多いですが、組織をより良く変え、スタッフの成長を支援し、質の高い看護を通じて社会に貢献できるという、大きなやりがいと達成感を得られる仕事です。
もしあなたが、自身の経験や能力を活かして、より大きな視点で看護に貢献したい、チームや組織を動かしてみたいと考えているなら、看護管理職は魅力的な選択肢の一つです。
この記事が、あなたのキャリアビジョンを具体化し、未来への一歩を踏み出すための羅針盤となれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの挑戦を心から応援しています!

参考文献・参考情報
この記事を作成するにあたり、以下の情報源を参考にしました。
ただし、特定の情報源の主張をそのまま掲載するのではなく、複数の情報を比較検討し、一般的な情報として再構成しています。
最新かつ詳細な情報については、各公式サイト等をご確認ください。
- 日本看護協会ウェブサイト
- 認定看護管理者制度について: https://www.google.com/search?q=https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn
- 看護管理者のコンピテンシーに関する情報
- 看護職員の実態に関する調査報告書 など
- 厚生労働省ウェブサイト
- 看護職員の需給に関する検討会 関連資料
- 賃金構造基本統計調査(役職別賃金など)
- 衛生行政報告例(就業看護職員数など) など
- 看護管理に関する書籍・学術論文
- (例)『ナーシング・ビジネス』(メディカ出版)、『看護管理』(医学書院)などの専門誌
- (例)井上智子 編著『看護管理学 第5版』(医学書院、2018年)
- CiNii Articles (https://ci.nii.ac.jp/) などで公開されている看護管理職の役割、キャリアパス、リーダーシップ等に関する研究論文
- 各医療機関のウェブサイト
- 看護部の理念・目標
- キャリアラダー制度、研修制度に関する情報
- 管理職の公募情報 など
免責事項
本記事は、看護師のキャリアに関する情報提供を目的としたものであり、特定のキャリアパスや転職を保証・推奨するものではありません。
記載されている情報については、可能な限り正確性を期しておりますが、制度や状況の変化、個別の状況により最新の情報と異なる場合があります。
特に、資格制度、統計データ、各医療機関の情報に関しては、必ず日本看護協会や厚生労働省、各医療機関の公式サイト等にて最新の情報をご確認ください。
本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねます。
最終的なキャリアの選択や転職に関する判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
必要に応じて、キャリアコンサルタント等の専門家にご相談ください。