派遣？パート？常勤？多様化する看護師の「雇用形態」メリット・デメリット解説

「そろそろ転職しようかな…」と考えている看護師の皆さん。

看護師の働き方は、今、とても多様化しています。

かつては病院やクリニックで常勤として働くのが一般的でしたが、ライフスタイルの変化や働き方に対する価値観の多様化により、パート・アルバイトや派遣といった働き方を選ぶ看護師が増えています。

　

しかし、いざ転職を考えたとき、「常勤、パート、派遣…結局どれが自分に合っているの？」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

それぞれの雇用形態には、メリットもあればデメリットもあります。給与、勤務時間、福利厚生、キャリアパスなど、何を重視するかによって、最適な選択は変わってきます。

この記事では、『転職』を考えているあなたのために、常勤、パート・アルバイト、派遣という3つの主要な雇用形態について、それぞれの特徴、メリット・デメリットを徹底解説します。

この記事を読めば、

• 各雇用形態の違いが明確になる
• 自分自身の希望やライフスタイルに合った働き方が見えてくる
• 納得のいく転職活動を進めるためのヒントが得られる

はずです。後悔しない転職のために、まずはそれぞれの雇用形態について深く理解することから始めましょう。

1. 安定とキャリアを求めるなら「常勤（正社員）看護師」

常勤看護師とは？ その特徴

常勤看護師とは、一般的に「正社員」として雇用される看護師のことを指します。

勤務先の就業規則に定められた正規の労働時間（通常、週40時間程度）で勤務し、雇用期間の定めがないのが大きな特徴です。

病院やクリニックだけでなく、介護施設、訪問看護ステーション、企業など、様々な場所で活躍しています。

常勤で働くメリット

• 雇用の安定性: 雇用期間の定めがないため、長期的に安定して働くことができます。景気や経営状況に左右されにくく、解雇のリスクが低いのが最大のメリットと言えるでしょう。
• 充実した福利厚生: 社会保険（健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険）はもちろん、住宅手当、家族手当、退職金制度など、福利厚生が手厚い傾向にあります。産休・育休制度も整っている場合が多く、ライフイベントに対応しやすいのも魅力です。
• 収入の安定と昇給・ボーナス: 月給制で収入が安定しており、定期的な昇給やボーナス（賞与）が期待できます。勤続年数や役職に応じて収入アップが見込めるため、将来設計を立てやすいでしょう。
• キャリアアップの機会: 研修制度や資格取得支援制度が充実している職場が多く、スキルアップやキャリアアップを目指しやすい環境が整っています。リーダーや管理職への道も開かれており、専門性を高めたい、マネジメントに携わりたいという方に向いています。
• 責任ある仕事: 患者さんのケアに深く関わったり、チームの中心的な役割を担ったりと、責任のある仕事を任される機会が多いです。大きなやりがいを感じられるでしょう。

常勤で働くデメリット

• 勤務時間・曜日の制約: 原則としてフルタイム勤務であり、勤務時間や曜日の融通がききにくい場合があります。夜勤や土日祝日勤務が必須となる職場も多く、プライベートとの両立に工夫が必要になることも。
• 異動や転勤の可能性: 病院グループや規模の大きな法人などでは、部署異動や転勤の可能性があります。希望しない異動・転勤を命じられることもあり得ます。
• 責任の重さ・業務負担: 担当する業務範囲が広く、責任も重くなりがちです。委員会活動や勉強会への参加、後輩指導など、看護業務以外の負担も増えることがあります。
• 人間関係: 長期間同じ職場で働くことになるため、人間関係が固定化しやすい側面があります。もし合わない人がいても、簡単には環境を変えられません。

ここまで常勤（正社員）の主なメリット・デメリットをご紹介しました。

「もっと具体的に、どんなメリット・デメリットがあるの？」 「常勤で働くリアルな部分を知りたい！」

と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

常勤という働き方は、安定収入や福利厚生といった魅力がある一方で、時間的な制約や業務負担など、事前に理解しておくべき点も多くあります。

以下の記事では、常勤（正社員）看護師として働くことのメリット・デメリットを、それぞれ9つ、6つと、より多角的に深掘りして徹底解説しています。

常勤への転職を考えている方、ご自身のキャリアプランを見つめ直したい方は、ぜひこちらも合わせてご覧いただき、後悔しない選択のための参考にしてください。

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2. プライベートとの両立を重視するなら「パート・アルバイト看護師」

パート・アルバイト看護師とは？ その特徴

パート・アルバイト看護師は、常勤よりも短い時間、あるいは特定の曜日・時間帯のみ勤務する働き方です。「非常勤」とも呼ばれます。勤務時間や日数は、勤務先との契約によって個別に定められます。

パート・アルバイトで働くメリット

• 柔軟な勤務時間・日数: 最大のメリットは、勤務時間や日数を自分の都合に合わせやすいことです。「午前中だけ」「週3日だけ」といった働き方が可能で、子育てや介護、趣味、学業など、プライベートとの両立がしやすいのが魅力です。
• ワークライフバランスを重視したい方にぴったりです。
• 勤務場所を選びやすい: クリニックや健診センター、デイサービスなど、比較的短時間勤務の求人が多い職場を選べます。自宅近くなど、通勤しやすい場所を選ぶことも可能です。
• 残業や夜勤が少ない傾向: 常勤に比べて、残業や夜勤の負担が少ない職場が多いです。もちろん契約内容によりますが、定時で帰宅しやすい傾向にあります。
• 精神的な負担が比較的軽い: 常勤ほどの重い責任を負う場面は少なく、委員会活動などの業務外負担も少ない傾向にあるため、精神的なプレッシャーは比較的軽いと言えるでしょう。
• ダブルワークも可能: 勤務時間が短い場合、他の仕事とのダブルワーク（副業）も可能です。収入源を増やしたい、様々な経験を積みたいという方にも選択肢となります。

パート・アルバイトで働くデメリット

• 収入の不安定さ: 時給制が多く、働いた時間分しか給与が発生しません。祝日が多い月や、自身の都合で休みが多くなると、収入が減ってしまいます。ボーナスや退職金がない場合がほとんどです。
• 福利厚生の制限: 常勤に比べて、福利厚生が限定的な場合があります。社会保険の加入は労働時間や日数によって決まりますし、住宅手当などの各種手当がないことも多いです。
• キャリアアップが難しい: 責任ある仕事を任される機会が少なく、研修への参加機会も限られるため、スキルアップやキャリアアップには繋がりにくい側面があります。
• 雇用の不安定さ: 契約期間が定められている場合があり、契約更新されない（雇い止め）リスクもゼロではありません。常勤に比べると、雇用の安定性は低いと言えます。
• 職場で疎外感を感じる可能性: 勤務時間が短いため、他のスタッフとのコミュニケーションが不足したり、職場の情報共有から漏れたりして、疎外感を感じてしまう可能性も指摘されています。

ここではパート・アルバイトの主なメリット・デメリットをご紹介しましたが、

「もっと具体的な体験談に近い情報が知りたい」

「どんな人が本当にパートに向いているの？」

「失敗しないパート先の見つけ方や選び方のコツは？」

といった疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

パート・アルバイト看護師という働き方について、さらに深く掘り下げた情報（リアルなメリット・デメリットの詳細、向いている人の特徴、求人探しのポイントなど）は、以下の記事で詳しく解説しています。

パートタイムという選択肢をより深く検討したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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3. 自由度と高時給を狙うなら「派遣看護師」

派遣看護師とは？ その特徴（派遣会社との関係性）

派遣看護師は、病院やクリニックなどの勤務先（派遣先）に直接雇用されるのではなく、人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先で就業する働き方です。

給与の支払いや社会保険の手続きは、雇用主である派遣会社が行います。契約期間が定められているのが一般的です（数ヶ月〜1年程度が多い）。

【派遣の仕組み】

1. 看護師は派遣会社に登録し、雇用契約を結ぶ。
2. 派遣会社は、派遣先（病院やクリニックなど）と労働者派遣契約を結ぶ。
3. 看護師は、派遣会社の指示に基づき、派遣先で業務を行う。
4. 給与は派遣会社から支払われる。
5. 業務上の指示は派遣先の担当者から受ける。

派遣で働くメリット

• 時給が高い傾向: 常勤やパート・アルバイトに比べて、時給が高く設定されていることが多いです。
• 短期間で効率よく稼ぎたい方にとっては大きな魅力です。
• 多様な職場を経験できる: 契約期間ごとに勤務先を変えることができるため、様々な病院、クリニック、施設などで働く経験を積むことができます。自分に合った職場環境を見つけたい、幅広いスキルを身につけたいという方に向いています。
• 勤務地や期間を選べる: 「自宅から近い場所」「3ヶ月だけ働きたい」など、自分の希望に合わせて勤務地や働く期間を選びやすいのもメリットです。ライフプランに合わせた柔軟な働き方が可能です。
• サービス残業が少ない: 派遣契約で定められた業務内容・時間で働くため、サービス残業が発生しにくい傾向にあります。時間管理がしやすいでしょう。
• 派遣会社のサポート: 派遣会社が、仕事探しから就業中のフォロー、給与交渉、トラブル対応まで、様々なサポートをしてくれます。転職活動の手間が省け、安心して働くことができます。

派遣で働くデメリット

• 雇用の不安定さ: 契約期間が決まっているため、契約が更新されなければ、その職場での仕事は終了となります。常に次の仕事を探す必要がある、という不安定さが伴います。同じ職場で長く働きたい方には不向きです。
• ボーナス・退職金がない: 時給は高くても、ボーナスや退職金は基本的にありません。年収ベースで見ると、常勤の方が高くなる場合もあります。
• 福利厚生は派遣会社次第: 福利厚生は雇用主である派遣会社の規定によります。派遣会社によって内容に差があるため、登録時にしっかり確認する必要があります。
• 任される業務範囲の制限: 派遣先の正社員ではないため、責任の重い仕事やリーダー的な役割を任されることは少ない傾向にあります。キャリアアップには繋がりにくい側面があります。
• 職場への帰属意識の低さ: 期間限定の関わりとなるため、職場への帰属意識を持ちにくい、人間関係を深く築きにくいと感じる人もいます。

派遣看護師の働き方、少しイメージが掴めましたか？

もし、派遣という働き方について『もっと詳しく知りたい！』『メリット・デメリットをさらに深掘りしたい！』と感じたら、以下の記事がおすすめです。

派遣看護師に特化して、働き方のリアルや注意点を詳しく解説していますよ👇」

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4. 【徹底比較】常勤・パート・派遣、あなたに合う働き方はどれ？

ここまで各雇用形態のメリット・デメリットを見てきましたが、改めて項目別に比較してみましょう。

ライフステージ別 おすすめの働き方

• 新卒・若手看護師（キャリア形成期）:
  • おすすめ: 常勤
  • 理由: 教育体制が整っており、基礎からしっかりとスキルを学び、キャリアの土台を築くのに最適。福利厚生も充実しているため、安心して長く働ける。
• 子育て中の看護師:
  • おすすめ: パート・アルバイト または 派遣（短時間・日勤のみなど）
  • 理由: 子供の送り迎えや学校行事などに合わせて、勤務時間や日数を調整しやすい。常勤でも時短勤務制度や院内保育所がある職場なら選択肢に。
• 経験豊富でスキルアップ・収入アップを目指す看護師:
  • おすすめ: 常勤 または 派遣（高時給・専門分野）
  • 理由: 常勤で管理職を目指したり、専門看護師・認定看護師の資格取得を目指す。あるいは、派遣で特定のスキルを活かせる高時給の職場を選んだり、様々な現場で経験を積みさらなるスキルアップを目指す。
• プライベート重視・副業したい看護師:
  • おすすめ: パート・アルバイト または 派遣
  • 理由: 勤務時間を調整しやすく、趣味や学業、家族との時間を大切にできる。空いた時間で副業（ダブルワーク）も可能。
• ブランクがある看護師:
  • おすすめ: パート・アルバイト または 派遣（紹介予定派遣含む）
  • 理由: まずは短時間勤務から無理なく仕事に復帰しやすい。派遣なら、派遣会社のサポートを受けながら勘を取り戻せる。将来的に常勤を目指すなら、派遣先での正社員登用を前提とした「紹介予定派遣」も有効。
• 特定の分野で働きたい看護師:
  • おすすめ: 常勤 または 派遣
  • 理由: 専門性の高い分野（ICU、手術室、訪問看護など）は常勤の求人が多い傾向。派遣でも、特定の分野に特化した求人や、期間限定の応援などで希望の分野を経験できる可能性がある。

5. 失敗しない！雇用形態を選ぶ際の重要チェックポイント

どの雇用形態を選ぶにしても、入職後のミスマッチを防ぐためには、事前の情報収集と確認が非常に重要です。

求人票で必ず確認すべき項目

• 雇用形態: 「正社員」「パート」「派遣」など、明確に記載されているか。
• 給与:
  • 常勤: 月給（基本給、諸手当の内訳）、賞与（年何回、前年度実績）、昇給制度
  • パート: 時給、交通費支給の有無
  • 派遣: 時給、交通費支給の有無
• 勤務時間・休日: 始業・終業時間、休憩時間、残業の有無（平均時間）、夜勤の有無・回数、休日（週休2日制、シフト制など）、年間休日日数、有給休暇取得率
• 仕事内容: 具体的な業務内容、担当する可能性のある業務範囲
• 福利厚生: 社会保険完備、退職金制度、住宅手当、家族手当、交通費支給、院内保育所の有無、研修制度、資格取得支援制度など（パート・派遣の場合は適用条件も確認）
• 契約期間（パート・派遣の場合）: 契約期間の定め、更新の可能性、更新条件
• 勤務地:
• 派遣の場合: 派遣会社の福利厚生、サポート体制

面接で聞いておきたいこと

求人票だけでは分からない情報もあります。面接は、疑問点を解消する絶好の機会です。

• 残業の実態: 平均的な残業時間、残業代の支給方法
• 有給休暇の取得状況: 取得しやすい雰囲気か、平均取得日数
• 職場の雰囲気: 看護師の年齢層、人間関係、チームワーク
• 教育・研修体制: 新人や中途採用者向けの研修内容、スキルアップ支援
• 夜勤体制（該当する場合）: 夜勤の人数体制、休憩・仮眠の状況
• パート・派遣の場合: 契約更新の実績、正社員登用の可能性（希望する場合）
• 派遣の場合: 指揮命令者、業務範囲の明確さ

安易な選択が招くリスク

「時給が高いから派遣」「楽そうだからパート」といった安易な理由だけで雇用形態を選ぶのは危険です。

• 収入面での誤算: 時給が高くても、ボーナスや退職金がない派遣は、年収ベースでは常勤より低くなることがあります。パートは、想定よりもシフトに入れず収入が安定しない可能性も。
• キャリアプランとの不一致: キャリアアップを目指したいのにパートや派遣を選んでしまうと、希望する経験が積めない、昇進の機会がないといった壁にぶつかる可能性があります。
• ワークライフバランスの崩壊: 常勤を選んだものの、残業や夜勤が多くてプライベートの時間が全く取れなくなってしまう。逆に、パートを選んだが、人手不足で結局常勤並みに働かざるを得ない、というケースも。
• 福利厚生のギャップ: パートや派遣で、期待していた社会保険に加入できなかったり、手当がなかったりすることもあります。

目先の条件だけでなく、長期的な視点を持って、自分のキャリアプランやライフスタイルに本当に合っているかを慎重に検討することが、後悔しない転職の鍵となります。

6. まとめ：自分らしい働き方を見つけて、輝く看護師ライフを！

今回は、看護師の多様な働き方の中から、「常勤」「パート・アルバイト」「派遣」という3つの雇用形態について、それぞれのメリット・デメリット、そして選び方のポイントを解説してきました。

• 常勤: 安定した雇用と収入、充実した福利厚生、キャリアアップの機会が魅力。ただし、時間的な制約や責任の重さも。
• パート・アルバイト: 勤務時間の融通が利き、プライベートとの両立がしやすい。一方で、収入や雇用の不安定さ、キャリア形成の難しさがある。
• 派遣: 高時給で多様な職場経験が積め、自由度が高い。しかし、雇用の不安定さやボーナス・退職金がない点がデメリット。

どの雇用形態が「正解」ということはありません。 大切なのは、今の自分が何を最も重視するのかを明確にし、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分自身の価値観やライフプランに合った働き方を選ぶことです。

転職は、あなたの看護師としてのキャリア、そして人生において大きなターニングポイントとなり得ます。この記事が、あなたがより良い選択をし、自分らしく輝ける働き方を見つけるための一助となれば幸いです。

焦らず、じっくりと情報を集め、納得のいく転職活動を進めてくださいね。応援しています！