認定看護師・専門看護師とは？役割・分野・目指すメリットを分かりやすく解説

看護師としてキャリアアップを目指すあなたへ。

「認定看護師と専門看護師って何が違うの？」

「どちらを目指したら良いか分からない…」

この記事では、そんな疑問を持つあなたに向けて、認定看護師と専門看護師の役割、分野、目指すメリットを分かりやすく解説します。

あなたのキャリアプランに役立つ情報が満載です！ぜひ最後まで読んで、理想のキャリアを見つけましょう。

1. 認定看護師と専門看護師：その違いとは？

認定看護師と専門看護師は、どちらも特定の看護分野で熟練した看護技術と知識を持つ看護師です。

しかし、役割、専門分野、資格取得要件に違いがあります。

項目	認定看護師	専門看護師
役割	実践：個人、家族、集団に対し、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。 指導：看護実践を通して看護職に対し指導を行う。 相談：看護職に対しコンサルテーションを行う。	実践：個人、家族および集団に対して質の高い看護を実践する。 相談：看護師を含むケア提供者に対し相談・協議を行う。 調整：必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間の連携・調整を行う。 倫理調整：個人、家族及び集団の権利を守るため、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。 教育：看護師のケアを向上させるための教育的役割を果たす。 研究：専門知識および技術の向上、開発を図るために実践の場における研究活動を行う。
専門分野	特定の看護分野（感染管理、緩和ケア、集中ケアなど）	特定の看護分野（がん看護、精神看護、地域看護など）
資格取得要件	5年以上の実務経験（うち3年以上は認定看護分野での経験） 認定看護師教育機関での教育課程修了	看護系大学院修士課程修了 5年以上の実務経験（うち3年以上は専門看護分野での経験）
主な活動場所	病院	病院、地域
キャリアパス	専門性を深め、現場での実践・指導のスペシャリスト	特定の分野において、より高度な知識・技術を追求し、看護の質向上に貢献
その他	B課程認定看護師は特定行為看護師を名乗ることも可能

2. 認定看護師とは？

2-1. 役割と活動

認定看護師は、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護を実践する看護師です。

主な役割は以下の3つです。

• 実践: 高度な知識や技術を用いて、患者さんへの最適なケアを実践します。
• 指導: 自身の経験に基づいて、後輩看護師への指導や教育を行います。
• 相談: 医療チームからの相談に応じ、専門的な視点からアドバイスを行います。

2-2. 認定看護分野

認定看護分野は、高度化及び専門分化する保健、医療及び福祉の現場において、熟練した看護技術及び知識を必要とする看護分野として、日本看護協会が認定したものです。

現在、以下の19分野があります。（※特定行為研修を組み込んでいるB課程の分野）

• 感染管理
• がん薬物療法看護
• 緩和ケア
• クリティカルケア
• 呼吸器疾患看護
• 在宅ケア
• 手術看護
• 小児プライマリケア
• 新生児集中ケア
• 心不全看護
• 腎不全看護
• 生殖看護
• 摂食嚥下障害看護
• 糖尿病看護
• 乳がん看護
• 認知症看護
• 脳卒中看護
• 皮膚・排泄ケア
• がん放射線療法看護

（注：A課程は2026年度で教育終了予定です。最新の情報は日本看護協会のサイトをご確認ください。）

2-3. 認定看護師になるには

認定看護師になるには、以下の要件を満たす必要があります。

• 日本国の看護師免許を持っていること
• 5年以上の実務経験があり、そのうち3年以上は認定看護分野での経験があること
• 日本看護協会が認定した認定看護師教育機関で、所定の教育課程（A課程：615時間以上、B課程：800時間＋特定行為研修）を修了していること
• 認定審査（筆記試験）に合格すること

2-4. 認定看護師のメリット

認定看護師の資格を取得することで、以下のようなメリットがあります。

• 専門性を活かして、より質の高い看護を提供できる
• キャリアアップ、給与アップにつながる可能性がある（資格手当など）
• 病院内外で講師やコンサルタントとして活躍の場が広がる
• 転職や復職の際に有利になる
• 後輩指導などを通じて、チーム全体のレベルアップに貢献できる

3. 専門看護師とは？

3-1. 役割と活動

専門看護師は、特定の専門看護分野において、卓越した知識と技術を用いて、患者さんや家族へのより質の高い看護を提供する看護師です。

専門看護師には、以下の6つの役割があります。

• 実践: 個人、家族、集団に対して、質の高い看護を実践する。
• 相談: 看護師を含むケア提供者に対し相談・協議を行う。
• 調整: 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間の連携・調整を行う。
• 倫理調整: 個人、家族及び集団の権利を守るため、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。
• 教育: 看護師のケアを向上させるための教育的役割を果たす。
• 研究: 専門知識および技術の向上・開発を図るために実践の場における研究活動を行う。

専門看護師は、複雑な問題を抱える患者さんやその家族に対し、高度なケアを提供するだけでなく、医療チームや地域との連携、倫理的な問題の解決、看護師の教育、そして研究を通じて看護全体の質の向上に貢献します。

3-2. 専門看護分野

専門看護分野は、日本看護協会が認定した、特定の専門知識・技術が求められる看護分野です。

現在、以下の14分野があります。

• がん看護
• 精神看護
• 地域看護
• 老人看護
• 小児看護
• 母性看護
• 慢性疾患看護
• 急性・重症患者看護
• 感染症看護
• 家族支援
• 在宅看護
• 遺伝看護
• 災害看護
• 放射線看護

3-3. 専門看護師になるには

専門看護師になるには、以下の要件を満たす必要があります。

• 日本国の看護師免許を持っていること
• 看護系大学院の修士課程を修了し、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程の所定の単位（38単位）を取得していること
• 5年以上の実務経験があり、そのうち3年以上は専門看護分野での経験があること
• 認定審査（書類審査・筆記試験）に合格すること

3-4. 専門看護師のメリット

専門看護師の資格を取得することで、以下のようなメリットがあります。

• より高度で複雑な看護を実践できる
• 看護の質向上に多角的に貢献できる（実践、教育、研究など）
• リーダーシップを発揮し、チーム医療を推進できる
• 病院や地域における看護のキーパーソンとして活躍できる
• キャリアの選択肢が広がる（管理職、教育者、研究者など）
• 給与アップや待遇改善が期待できる
• 院内外での人脈形成の機会が増える

4. 認定看護師と専門看護師、どちらを目指すべき？

4-1. キャリアパスの考え方

認定看護師と専門看護師は、どちらも看護師としての専門性を高めるための素晴らしい選択肢です。

どちらを目指すかは、あなたのキャリアプランや興味関心によって異なります。

• 特定の分野での実践的なスキルを高め、現場のエキスパートとして活躍したい → 認定看護師
• 特定の分野を深く掘り下げ、研究や教育、組織全体の質向上にも貢献したい → 専門看護師

厚生労働省も「看護職のキャリアデザインシート」などを通じて、看護師が主体的にキャリアを築くことを支援しています。

自分の経験や学びを整理し、将来像を描くことが大切です。

キャリアデザインシートと合わせて、自分だけのキャリアプランを具体的に描くヒントが欲しい方は、こちらの記事もチェックしてみてはいかがでしょうか。

目標設定の方法や、具体的なプランの立て方について詳しく解説されています。」

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4-2. あなたの適性

• 臨床現場での実践や指導に情熱を感じる → 認定看護師向き
• 探求心が強く、研究や理論構築に興味がある → 専門看護師向き
• チームをまとめ、調整役を担うのが得意 → 専門看護師向き
• 特定の技術を磨き、患者さんに直接貢献したい → 認定看護師向き

もちろん、これはあくまで一般的な傾向です。

両方の資格取得を目指すことも可能ですし、認定看護師として経験を積んでから専門看護師を目指すという道もあります。

また、最近注目されている「特定行為研修」を修了した看護師も、医師の指示を待たずに特定の医療行為を行えるため、キャリアの選択肢の一つとして考えられます。

特定行為研修は、認定看護師のB課程に含まれている場合もあります。

5. まとめ

5-1. 認定看護師・専門看護師はキャリアアップの有力な選択肢

認定看護師と専門看護師は、どちらも看護師としての専門性を高め、キャリアアップを実現するための重要な資格です。

それぞれの役割や分野、メリットを理解し、自分の目指す看護師像に合わせて選択することが大切です。

認定看護師は実践・指導・相談を通じて現場の看護の質を高め、専門看護師は実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究という6つの役割を通じて、より広範な視点から看護の発展に貢献します。

5-2. それぞれの資格を生かして、看護のプロフェッショナルへ

資格取得はゴールではなく、スタートです。

認定看護師や専門看護師として、高度な知識と技術を活かし、患者さんや医療チーム、そして社会に貢献していくことが期待されます。

あなたの情熱と専門性が、より良い看護の未来を創ります。

5-3. 【免責事項】

本記事は、認定看護師・専門看護師に関する情報提供を目的としたものであり、特定のキャリアパスや転職を保証・推奨するものではありません。

資格取得の要件や分野、制度等は変更される可能性がありますので、必ず日本看護協会等の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

最終的なキャリアの選択や判断は、ご自身の責任で行ってください。

6. 参考情報

• 公益社団法人日本看護協会 認定看護師 https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn/index.html
• 公益社団法人日本看護協会 専門看護師 https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cns/index.html
• 厚生労働省 看護職員の多様な働き方について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37784.html
• 厚生労働省 看護師の特定行為研修について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html
• 日本看護系大学協議会（専門看護師教育課程基準など） https://www.janpu.or.jp/